こんにちは、かなえ整骨院です。
本日は肩の痛みを訴えて来院したけど実は問題は肩ではなかったという症例をご紹介させていただきます。
患者様のプロフィール
・５０代
・男性
・建設業
３日前から原因不明の左肩の痛みを訴え、
いよいよ我慢できなくなり３日後に来院。
来院時左肩に湿布を貼っていた。
寝ていても激痛で、何をしても痛い、安静にしていても痛い。
患者様の訴えに従いまず肩を診ることにしました。
この段階では肩関節の石灰沈着性腱炎を疑っていました。
石灰沈着性腱炎とは、肩のインナーマッスルである腱板に
石灰（炭酸アパタイト）が沈着し、
沈着した石灰が吸収される過程で炎症反応が起こり、
腱内圧が高まり激しい痛みを起こすというものです。
この場合、腫れや圧痛など炎症所見が認められますが、
今回は圧痛もなく、他の炎症反応も見られませんでした。
可動域の制限も認められず、
患者様も「痛いながらも動かせる」と仰っていました。
腱板の筋力もしっかり入っていました。
以上のことから、この痛みの原因は肩関節由来のものではなく、
頚椎由来の神経痛である可能性が高いと判断し、次に頚椎の検査を行いました。
頚椎の検査を始めたところ様々な所見が出てきました。
まず上を向くことが痛くてできませんでした。
患者様も「そういえば最近首が痛かったんだよなぁ…」と仰っていました。
頚椎椎間孔（神経の出どころ）を圧迫するテストを行うと、
左腕や左小指側に痛みや痺れが出現しました。
頚椎から出ている神経によって支配されている
・筋肉の力の入り具合
・触れた時の感覚異常の有無
・腱反射
をチェックしたところ、
・特定の筋肉の筋力の低下
・明らかな知覚異常（触られても鈍い、感じない）
・腱反射の減弱、消失
が認められましたので、頚椎の神経に問題があると判断しました。
神経が侵される部位は
・中枢神経（脳や脊髄）
・神経根（背骨の神経の出どころ）
・末梢（筋肉などで神経が絞扼される）
ですが、今回のケースでは筋力低下、知覚鈍麻、腱反射減弱が認められましたので、
頚椎の神経根障害、つまり、頚椎椎間板ヘルニアの疑いが強いと判断しました。
ちなみに脊髄に問題がある場合は、腱反射が亢進します。
絞扼性末梢神経障害の場合は神経根症状の所見が一致しません。
絞扼されている部位を叩くと放散痛が出ます。
頚椎椎間板ヘルニアの疑いが強いと患者様に伝え、
病院を受診してください…
で終わりでは、痛みで苦しんでいる患者様があまりにも気の毒です(>_<)
当院にはレントゲンには写らない、筋肉や神経の問題を見つけ、
痛みを抑えてくれるハイボルト治療器があります。
そして、羽田野式ハイボルト療法という方法でハイボルト治療を行っております。
羽田野式ハイボルト療法で頚椎の施術を行ったところ、
左肩の痛みがかなり改善しました。
頚椎ヘルニアの場合、腕を下げているだけでも神経が牽引されて痛みが生じます。
よって寝る時も極力頭の上に腕を挙げててもらう（要は万歳みたいに）よう指導し、
（この患者様も運転中など無意識に頭の上に手を置いていたそうです。）
その日は終了となりました。
翌日患者様に電話連絡したところ、
施術を受けてから翌朝までは痛みが落ち着いていたが、
通勤中に痛みが再発し、結局整形外科を受診し、頚椎椎間板ヘルニアと診断されたそうです。
今は痛み止めを服用し経過観察となっています。
ハイボルトは痛みの抑制に対しかなり即効性があります。
今回１度の施術でヘルニアの痛みを大幅に軽減できたのは、とても大きな自信になりました。
自分が昔、腰椎椎間板ヘルニアになった時にこの治療が受けられていたらなぁ…なんて思いました(笑)
治療を始めるなら早ければ早いほど回復が早くなります。
「そのうち治る」と放置していると、慢性化につながります！
辛い痛み、我慢せず早めに当院へお越しくださいm(_ _)m
